予防接種のQ&A
VPDとはワクチンで防げる病気のことです。
Q:定期予防接種と任意予防接種の違いはなんですか?
A:定期予防接種は、国や自治体が接種を強くすすめているワクチンです。接種を受ける側にとっては経済的負担の少ない(ほとんどのワクチンが無料です)ワクチンです。任意予防接種は、接種するかどうか接種を受ける側(赤ちゃんなら保護者)に任されているワクチンですが、決して医学的に重要度が低いというわけではありません。例えばロタウイルス胃腸炎は、激しい下痢や嘔吐による脱水で点滴や入院が必要なケースもあるなど、重症化すると大変な病気です。ワクチンで予防することが大切で、現在約半数の赤ちゃんが任意接種でワクチンを接種しています。他にもB型肝炎やおたふくかぜなど、ワクチンで予防できる病気は、任意接種でもワクチンで予防してあげることが重要です。接種費用は基本的に自己負担となりますが、名古屋市では一部費用を助成しております。接種を受けずに感染症にかかり、重症化した場合のリスクも考慮の上、接種を決めるとよいでしょう。
Q:生ワクチンと不活化ワクチンの違いはなんですか?
A.ワクチンは、生ワクチンと不活化ワクチン(トキソイドも含む)に分けられます。次の予防接種までの間隔は、原則として生ワクチン接種後は4週間(中27日)以上、不活化ワクチン接種後は1週間(中6日)以上です。ただし、同じワクチンを続けて接種する場合は、それぞれに接種する間隔が違ってきます。たとえば、四種混合(DPT-IPV)ワクチンの1回目と2回目の間なら標準的には3~8週間です。
スケジュールを立てる前に、接種間隔を確認しましょう。
次回接種までの間隔 | 該当するワクチンの種類 | ||
別のワクチン | 同じワクチン | ||
生ワクチン |
接種後は4週以上の 間隔をあける |
ワクチンの種類ごとに 決められている |
ロタウイルス BCG MR(麻しん風しん) おたふくかぜ みずぼうそう など |
不活化ワクチン (トキソイド含む) |
接種後は1週以上の 間隔をあける |
ワクチンの種類ごとに 決められている |
B型肝炎 ヒブ 肺炎球菌 四種混合(DPT-IPV) 日本脳炎 インフルエンザ 子宮頸がん など |
次にいつ受けられる?-接種順序・間隔の数え方-
予防接種から次の別の種類の予防接種までの接種間隔は、「生ワクチンなら4週間(中27日)」
「不活化ワクチンなら1週間(中6日)」。
これは、水曜日に接種したら、「4週間後の水曜日」「1週間後の水曜日」に次のワクチンを
受けられるということ。
生ワクチンと不活化ワクチンを受ける場合、不活化ワクチンを先に受ければ、
1週間後に生ワクチンが受けられます。
生ワクチンを先に受けると、4週間後までは不活化ワクチンを接種できないことになり、
両方の免疫を獲得するまでに時間がかかります
Q:同時接種で受けるよりも、1本ずつ受けたほうが、ワクチンの効果が高いのではないですか?
A:一度に何本ものワクチンを接種しても、それぞれのワクチンの効果は変わりません。副反応の危険がたかまることもありませんから、安心してください。
Q:小さな赤ちゃんに複数のワクチンを打っても大丈夫ですか?
A:大丈夫です。同時接種は世界中で行われている安全な方法です。アメリカでは生後2ヶ月の赤ちゃんに一度に6本も接種しています。ワクチンは体への負担を少なくするようにつくられていますのでご安心ください。たしかに、一度に何本も受けるのを見るのはかわいそうな気がするかもしれません。でもこわいVPDから赤ちゃんを守るには必要なことなのです。
Q:同時接種のメリットは、何度も通院しないことだけですか。親にとってはうれしいけれど、子どもにとってはどうなんでしょうか?
A:実は同時接種の最大のメリットは通院回数が減ることではありません。複数のワクチンを同時に受けることに、病気に対する免疫が早期にえられ、早い時期に子どもをVPDから守ることになります。だからこそ、世界中の医師が同時接種をおこなっているのです。
Q:接種後に注意することはありますか?
A:接種後30分ほどたっても問題なければ。急激な副反応が起こる心配はまずありません。現在のワクチンの安全性は高いので、接種後1時間すれば普段の生活ができ、保育園などにも行くことができます。お風呂もお食事もいつもどおりの生活でかまいません。
Q:気になる症状があったら、どうすればいいのですか?
A:予防接種後の熱や下痢など、気になる症状の受診の判断は、ふだんの基準で大丈夫です。接種後1日以内に熱がでることがありますが、ワクチンによる熱であれば心配ありません。機嫌が悪くなければ1日様子を見ましょう。
Q:注射した部分はもんだほうがいいですか?
A:接種した部分はもまなくて大丈夫です。接種した部分が赤くなったり、はれたり、かたくなったりすることがありますが、これはもむこととは無関係です。ふつうははれても処置は不要です。大変まれですが、ひじを越えてはれが広がることがあれば、受診しましょう。
参考文献:パパ・ママのためのこんなときどうする? VPDを知って、子どもを守ろう。の会 編
当院は「VPDを知って、子どもを守ろう。」の会の会員です。